【外構バリアフリー化】高齢者だけじゃない!子育て世代にも優しいスロープの最適設計

はじめに
将来を見据えたバリアフリー設計では、子育て世代にも多くのメリットがあります。
ベビーカーの出し入れをスムーズにし、子育ての負担を軽減します。
また、重い荷物の運搬も容易で快適性が上がります。
さらに、スロープは庭のデザイン性を高め、家全体のクオリティを上げることができます。若い頃からバリアフリーを意識した庭づくりを行うことで、ライフステージの変化にも柔軟に対応することができます。
1.スロープの最適設計
スロープはバリアフリーの外構工事において施工箇所として多く見られています。
「移動のしやすさ」だけが目的ではなく、20〜30代の若者にとっては「子育ての負担軽減」、高齢者にとっては「転倒予防」の役割を持ちます。
- 勾配
a)屋内:1/12(約4.8度)
b)屋外:1/15(約3.8度)→車椅子の自走が可能
転倒の原因は躓きによるものが多く、スロープにすることで原因である段差を取り除くことができます。しかし、急勾配のスロープには注意!
筋力がより必要になり、バランスも崩しやすくなります。負担を減らすためには、スロープ用のスペースを広く取り適切な角度で行うことが重要です。

- 幅
a)最小幅:1.2m以上
b)理想幅:1.5m以上(車いすのすれ違いや介助者との同行が可能)
左右のゆとりがあることで、バランスを崩した際に立て直すことが可能です。また、子どもと手を繋いで歩くことができるので、安全に生活することができます。車椅子の方は、介助者が横からサポートすることもできるため緊急時の対応も容易です。

- 表面素材
a)推奨素材:滑り抵抗係数0.4以上の材料
(例:ゴム製タイル、粗面に仕上げたコンクリート)
b)避けるべき素材:光沢のある材料、凹凸の激しい素材
雨の日は地面が濡れて滑りやすくなり転倒の危険性が高まります。適切な素材を選び、車椅子のタイヤや歩行補助具の滑りを防ぐことができます。
- 手すりの設置
勾配が1/12を超える場合や高さが16cmを超える場合には手すりの設置が義務付けられています。躓いたり、ふらついたりした場合に咄嗟に掴ることができ安全面としてはとても優秀です。また、足腰の弱い方にもおすすめで負担を和らげてくれるでしょう。

まとめ
将来を見据えた庭づくりを意識することで、長年快適に使える庭ができます。緩やかで広いスロープは、ベビーカーや車椅子の操作を楽にし、将来歳をとってからも安心して歩くことができる環境となります。段差を少なくすることで、お子様の遊び場としても理想的な庭になります。年齢を重ねても外出や庭での活動を楽しみ、家族全員の健康を支えます。若い時期からのバリアフリーを意識した庭づくりは、「未来」だけでなく「今」を楽しむ私たちにも素晴らしい考え方なのです。
弊社は居宅介護支援事業所も行っております。ケアマネージャーが在籍しており、介護保険の申請やケアプランを作成しています。介護のことで分からないことがあれば、ぜひお問い合わせください。
参考・引用リンク
https://tokyo-chumon.com/custom_home/barrier_free/8381
https://www.yamane-m.co.jp/kurasu/4325/
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kenju/bf-tebiki/documents/0209.pdf